人はなぜ、熱いラーメンを食べたがるのか?
「食べ物が熱い」のデメリット
1) 味がよくわからない
2) 口の中が火傷する
であれば最初から緩くすれば良いのではないか?
大海軒のスープが熱い(温くできない)理由が技術的な面からあるのです。
永福町系大勝軒は羽釜に大量の素材を入れスープを作ります。使った分の水を入れ加熱しエキスを抽出する方式なので絶えず加熱は続けないといけません。なので「温くする」という温度調節が難しいのです。
通常のラーメン屋は作り置きしておいたスープを提供直前に手鍋で温め直して提供しますので比較的、温度調節はしやすいと思います。
では何故、「熱いものを食べたがるのか?」の理由について考えてみたいと思います。
SNSでは口コミ・レビュー・食レポ等で文字により味を事前に確認することが容易になりました。「熱さ」も「ここのスープは熱い」「最後まで冷めない」「火傷する」と言った書き込みにより事前学習が可能となりました。実際に来店し食べて感じる「熱さ」は「味覚」以上に痛みに似た「体験」として体に刻まれるので忘れづらくなるのではないでしょうか?だから「また食べたい」という行動に移るのではないでしょうか?当然、熱いものな苦手ないわゆる「猫舌」の人は「もう食べたくない」となってしまう人が多いと思われます。ここら辺が「賛否両論のラーメン」と言われるの理由の一つかと思います。
このことは脳科学の面からも「トリガー:熱ものを食べる」と「アンカー : 美味しいものを食べて幸せ」として説明できると思います。 <参考>
大海軒のスープが「冷めづらい」と言ってもいつまでも熱いわけではありません。冷めて必ず「飲み頃」がやってきます。その時にはふんだんに使った煮干の旨味たっぷりのスープが良くわかると思います。このことにより
大海軒のラーメン→「トリガー:熱ものを食べる」→「アンカー : 美味しいものを食べて幸せ」→やっぱり美味しい となるのではないでしょうか。
「冷めてからの飲み頃」を待てずに、冷ますためにいきなりお酢やラー油を大量投入する方もいらっしゃいます。この場合、冷めてからの飲み頃には本来の味が壊れ飲めたものではなくなっていますので、大概、スープは残っています。
なのでどこのラーメン屋さんでも最初は冷めるのを待つ感じで少しづつ食べて行ってみてはいかがでしょうか。