大海軒の麺に込めたこだわりと進化
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ラーメンの味を決定づける要素の一つ、それが「麺」です。大海軒では、創業当初から草村商店製の中太ちぢれ麺を使用しています。この麺は、煮干スープとの相性を追求したもので、大海軒のラーメンを特徴づける重要な要素です。
しかし、この麺を調理する過程において課題があったのも事実です。それを解決し、さらに多くのお客様に愛される一杯を提供するため、大海軒では独自の進化を遂げてきました。
永福町系大勝軒から受け継ぐスタート地点
大海軒は、創業時に永福町系大勝軒から学び、そのエッセンスを受け継ぎました。永福町系大勝軒では、通常1杯に麺2玉を使用し、複数人分を一度に茹でるスタイルを取っています。
ただし、このスタイルには課題が伴います。一度に大量の麺を茹でることで、茹で湯の温度が下がり、再沸騰までに時間がかかるため、麺が「茹でる」状態ではなく、ほぼ「煮る」状態になってしまうことがあるのです。その結果、麺の芯がなくなり、ふやけて太くなる独特の食感が生まれます。この「ふやけた食感」は永福町系大勝軒の特徴の一つとして、一部のコアなファンからは支持されています。
高出力ゆで麺機の導入で課題を解決
大海軒では、この麺の茹で方による課題を改善すべきポイントと捉えました。そこで、2010年の店舗移転時に高出力のゆで麺機(小林熱機工業製)を導入。この設備により、茹で湯の温度低下を抑えつつ、均一に麺を短時間で茹で上げることが可能となりました。
これにより、草村商店製の麺が持つ本来のコシや風味を最大限引き出し、大海軒らしいバランスの良いラーメンを提供できるようになりました。導入から10年以上経った今でも、このゆで麺機は大海軒の味を支える重要な存在です。
「麺を変えた」という誤解と真実
高出力のゆで麺機導入後、一部のお客様から「大海軒は麺を変えた」「草村商店の麺を使わなくなった」「麺の量が少なくなった」という声がネット上でも見受けられるようになりました。しかし、実際には麺そのものの変更は一切なく、創業以来ずっと草村商店製の麺を使い続けています。
この誤解は、麺の茹で方が変わったことで、仕上がりの食感が変化したことから生まれたものです。従来の「煮る」に近い仕上がりから、適度な芯を残した「茹でる」に近い食感へ変わったことで、印象が異なったのかもしれません。
大海軒の独自の進化
「永福町系大勝軒の麺はブヨブヨだから硬めで頼むべき」という誤解を持たれたお客様がいらっしゃるかもしれません。しかし、大海軒では独自の考えのもと、お客様に喜ばれるラーメンを提供するため進化してきました。
全てを永福町系大勝軒と同じにする必要はないと考え、大海軒独自の方向性を打ち出しているのです。その一環として、高出力ゆで麺機の導入があり、より多くの方に満足していただける仕上がりを目指しています。
最後に
大海軒は、永福町系大勝軒のレシピからスタートし、その味を継承しながらも、独自の進化を遂げてきました。草村商店製の麺を変わらず使用しつつ、設備や調理方法を改良し、より多くのお客様に愛されるラーメンを目指しています。
ぜひ、草村商店製の中太ちぢれ麺と、香り高い煮干スープが織りなす一杯をご堪能ください。変わらぬ味と進化した品質で、皆様のご来店をお待ちしております!