ドロドロじゃなくてごめんなさい

ドロドロじゃなくてごめんなさい

大海軒の中華そばは、創業当初から「サラサラのスープ」が基本です。
煮干しや削り節をたっぷり使っているため、スープにはわずかに粒子が残りますが、粘度が高くなるほどではありません。

煮干や削節の粉末を大量に入れると、スープの粘度が増し、いわゆる「ドロドロ系」や「セメント系」と呼ばれるタイプになります。
実際、とある煮干問屋さんでは、煮干を加工する過程で出た細かい欠片を粉末状にし、それをお手頃な価格でラーメン店に提供し始めたそうです。

ラーメン店側も、安価に煮干しの香りや出汁感を加えられるうえに、スープの粘度が上がることで「美味しくなった気がする」という印象を演出できるため、次第にそうしたスープが増えていったのかもしれません。
「ドロドロ=美味しい」というイメージは、こうした背景から生まれたのでしょう。

あるつけ麺を主力とするラーメン店の方は、「つけ汁が中華そばと同じようなサラサラでは物足りない。つけ麺は独自の存在として成立しなければならない」と語り、つけ汁をあえて粘度高めにし、盛り付け時にも魚粉を追加しているとのことでした。
それもまた、一つの考え方だと思います。

ですが私たちは、「冷めても食べやすく、食後も重くならないラーメン」という価値を大切にしています。
中華そば・ワンタン麺・つけそば——いずれのメニューも、大海軒ではすべて「サラサラのスープ」でご提供しています。

サラサラでありながらも、しっかりとした出汁の旨みを感じられるスープ。
そのために、煮干と野菜が生み出す塩味と甘味のバランス、そして醤油ダレ(かえし)との調和を大切にし、日々試行錯誤を重ねています。

目指しているのは、飽きがこず、何度でも食べたくなる一杯。
それが、大海軒の「中華そば」です。

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